18話:天変

広宗において、黄巾党討伐は成った。 首謀者の名は張角。兄弟である張梁、張宝とともに、乱れた世の中に苦しむ民の救済を目的に活動をしていた。 張角は自らを天公将軍と称し、弟二人を地公将軍、人公将軍とし、漢王朝を表す『蒼天』にとってかわり、『黄天…

17話:騒がしい李家

作戦内容は速やかに全軍に伝えられた。 劉備率いる義勇軍が、一度広宗に陣を敷く黄巾党に一度当たり、すぐさま山間部に転進し引き付ける。その後間延びした黄巾党軍の後部に、皇甫嵩率いる官軍本体が当たる。 一撃のもと、張角の首級を挙げ終結とする。 劉備…

16話:義の侠

涼州に、董卓という男がある。字を仲穎という。 若い時から西部辺境の羌族に混ざり、その実力を養った。生まれついての武芸の才能を余すことなく発揮し、その腕力は目を見張るもので、馬上から左右どちらの手でも弦を引き絞ることが出来た。 若きときはその…

15話:来訪-2

稲飯と李典が開墾の監督をしているところに、思わぬ客人が現れた。 名を戯志才と名乗る女性であった。 × × × 稲飯が李典から開墾の手助けを請け負ってから、数週間の時間が経過していた。 といっても実際に開墾作業に手を付けることができたのは、昨日からで…

14話:来訪

――山陽郡、鉅野県。 昨日の雨のお陰でゆっくりと体を休めることができた。雨上がりの匂いを感じつつ、私は足を進める。笠のつばを上げて空を仰ぐと、層雲を浮かべた空が太陽の光をはじけるように反射させ私の目を楽しませてくれた。 かれこれ半年になるだろ…

13話:信賞必罰の女

城内は剣呑とした雰囲気に満ちていた。 謁見の間に白い鬚を蓄えた翁が数人、跪かされていた。彼らは悲痛な表情を浮かべ叫喚している。 「曹相様! お考え直し下さいませ!」「我々が一体何をしたというのです! 当然の権利を行使したまで!」 官服を着た老人…

12話:仕事を得たり

ぼうっと眺める空は薄く雲を浮かべ、ゆったりと流れていく時間を演出してくれる。 この時代に来てから7日ほど経ったか。 この七日間はあっと言う間に過ぎた。 ゆっくりとではあるが、この時代のリズムに体が順応しているのを感じている。 時計を見ずともど…

11話:子供くさいスモーカー

現代において、遺跡調査員として中国の山東省の発掘調査の国外スタッフとして派遣されていた稲飯浩。 いつものように発掘現場に向かう途中、渋滞に巻き込まれていたはずがいつの間にか後漢末期の三国志の時代へと時間跳躍をしていた。 突如として連れてこら…

10話:壺の径は100cm強であった

李家の屋敷は町の中心地に位置していた。 駆動させると悪目立ちするであろうバンは、町に暮らす人々を驚かさないよう馬に引かせた。 一見すると鉄製の白い箱が車輪に乗せられているように見える訳であり、町民の奇異の目を一手に集めていた。 この車は時代遅…

9話:古きを考える喜び

日は沈みかけ、山や木々、川を闇の中に隠そうとしている。雁の群れが鳴き声を上げながらシルエットを作っていた。 今、この地は戦場であった物々しさを忘れようとしていた。そんな中稲飯の目の前に立ちはだかるは偉丈夫、眼光は鋭く猫科の猛獣を思わせる。薄…

【ゲーム】配信をしてはや3ヶ月。だんだん慣れてきた

どうも。HELPERです。 みなさんは空いた時間にどのようなことをして時間を潰しますか? 読書、音楽、映画鑑賞、人によっては部屋でぼーっとするのが一番だっていう人もいることでしょう。 私はゲームをすることが多いです。 本を読むのも音楽を聴くこともも…

8話:力添え

長社城にて波才軍を打ち破ることになる少々前の時間。稲飯は李典を助手席に乗せ、野営地から長社城へと向かっていた。 全開されているバンの窓から夜の冷たい空気が吹き込んでくる。 稲飯の車は前方に走る李乾の軍に着いて走っていた。彼らはこれから賊を討…

7話:機を見るに敏なり

半刻後陽が沈むと、皇甫嵩は城門の上部にある矢倉の上から穎川の地を見ていた。本来ならここには数人の兵士が物見として配置されているのだが、皇甫嵩はこれに休むように言い渡し、一人で番をしているのである。 「……はぁ」 空気はかなり冷え込んでいる。憂…

6話:黄巾蜂起

小高い丘の上から見下ろした戦場は、辺り一面が赤く染まり、屍山血河を築いている。此方側へと吹いて来る風が丘を登って血の匂いを運んでくるような気さえしてくるほどだ。 ここに大規模な陣が敷かれている。一際大きな天幕の中に、長身痩躯の男性がいた。天…

5話:困惑と気付き

稲飯は混乱の極みにあった。 なぜ山東省へ向かう高速に乗っていたはずの自分がこんな何もない田舎へと来てしまったのか。走行中ラジオを聞いていたことは思い出せたのだがそれ以降ははっきりしないのだ。移動したときの記憶が全く無く、気付いた時には荒野の…

4話:出会い

陽は傾き、大地は赤く染まり始めた。 鉅野から穎川までは、途中休息の時間を設けたとして、一日半ほどかかる。すべての兵士に馬を割り当てることが出来るというのならその限りでは無いが、李乾の軍の構成は騎兵が千、そして残り四千は歩兵である。兵糧などの…

【オーバーウォッチ】もうヒーラー専でいいのかもしれない

どうも。HELPERです。 いまだにプラチナ帯に行くことが出来ずにいます… 根本的に実力が足りていないということはわかっているけど、こんなにも行けないものかね…ああ、エイムに自信があればDPSでキャリーしたるんですがね! いきなり愚痴っぽくなりました。 …

3話:李氏の才媛

兗州山陽郡の下部に位置する、鉅野という地域がある。山陽郡は袁遺が太守として治める地域である。 あたりには平野が広がっており、付近を黄河が流れるこの地域は比較的肥沃な大地であるといえる。鳶の鳴き声が部屋の中まで入り込んでいる。 部屋に差し込む…

2話:夢を見ているか

煙草の吸殻が灰皿から溢れる。 現地の言葉で流れるラジオからはこの渋滞は三時間あまりの規模になり、緩和にはまだまだ時間が掛かるという内容がずっと流れている。 「あー。どうすんだこれ」 苛々とハンドルを指で叩きながら、頭を掻いた。 稲飯浩は遺跡調…

三國開拓志

【あらすじ】 三国志の戦乱の時代に現代から男が一人紛れます。 史実を元にはしていますが、史実通りに話は運ばれません。そもそも書籍における三国志があいまいな部分もありますし、三国志演義なんていう大衆向けに改変された話もありますから。多少の改編…

1話:蒼く燃ゆる瞳

『蒼天己死。黄天当立。歳在甲子。天下大吉。』 蒼天は既に死に、今まさに黄天の世が訪れるときである。そんな声が野に響きだしたのはいつ頃からであったか。 宮中が腐敗し、人心は乱れ、世に不安の影が差している今、新たな世が訪れ天下に平安がもたらされ…

【オーバーウォッチ】調子が良いとき悪いときのギャップが凄い❗

どうも。Helperです 懲りもせずオーバーウォッチの話ばかりになってしまいますが、仕方ないね、面白いのだもの、このゲーム ここのところヒーラー職ばかりに手をつけているんですが、このピックがまた難しい 一緒に遊んでいる仲間からセオリーを教えてもらい…

【オーバーウォッチ】ハマってます。

どうも。Helperです 最近久しぶりにオーバーウォッチというゲームをやってみたらコントローラーが手放せなくなってしまいました オーバーウォッチは2016年に発売したFPSゲームです 知っている人もいるでしょうか? 一年以上も離れていたHalperしたが、長いア…

はじめましてHalperです

どうもはじめましてHelperです。 今日から日記をつけていきたいと思います、 内容はいろいろ。趣味のゲームだったり読書だったり普段の生活のなかで感じたことを残していけたらいいなと思ってます。 よろしくね! …まずは書き方の勉強だなぁ